平成19年(ワ)第2214号第3回弁論・結審
(2月13日)


 ユニヴェルシオールの入居者が協議会の代表ら2名を相手に差止等を請求した裁判の第3回弁論が、2月13日(水)、東京地裁八王子支部401号法廷で開かれました。
 訴訟の概略は既報*のとおりですが、第3回弁論について、ペンネーム「ある市民」さんがレポートしてくれました。

 温暖化が進んでいるとはいえ最近はよく雪が降るし今日も冷え冷えでした。そんななか、朝8時40分に玉川学園前駅に集合して、東京地裁八王子支部に向かいました。町田で小田急から横浜線に乗り換えですが最初の電車は橋本止まり、……。「乗る?それとも、次の八王子行まで待つ?」「ホームは寒いから、橋本行でも乗っちゃおうよ」ということで、温々の車内へ。橋本駅で、ちと寒さに震えてから乗り継いで八王子へ。徒歩15分ほどで、地裁八王子支部着。
 やれやれと一服しているうちに仲間たちは目的の法廷へ。受付で法廷を確かめようとするも、本日は結構公判や弁論があるらしく、ややこしい。「○○さんが原告の裁判なんですけど」と係の人に告げて場所を教えてもらって401法廷へ。通常、仲間内では、この裁判、原告となったユニヴェルシオール入居者の名を冠して「○○裁判」と呼んでいるから、原告の名がすぐに口から出てしまいます。
 思えば、2003年4月の解体工事強行以来、ユニヴェルシオール建設をめぐっては、訴えられたり訴えたり、被告になったり原告になったりの訴訟まみれとなりました。ユニヴェルシオールの入居者が協議会の代表たちを相手に、テントを撤去せよ、テント周辺でたむろするな、などと訴えた「平成19年(ワ)第2214号」裁判では、訴えを起こしたユニヴェルシオール入居者が原告、協議会の代表たちが被告ですね。理不尽な訴訟を毅然と受けて立つ名誉ある被告と言えるでしょう。
 さて、開廷予定時刻は10時。その頃には、当方、被告2名と弁護士2名を含めて20名以上になっていました。原告側は、原告と弁護士の計2名。  10時ちょっとすぎに事務官の「ご起立ください」で全員起立したところに裁判官が出廷。冒頭いきなり、裁判官は被告側に向かって、「請求趣旨1*のテント撤去取り下げに応じますか?」。えっ?、っと、聞いていると、被告側弁護士が取り下げに同意して、請求趣旨1*は取り下げ。弁護士による閉廷後の解説によると、テントを撤去せよという請求については、昨日、取り下げたい旨の連絡があったそうです。オイオイ、テント撤去がこの裁判の主眼だったのではないでしょうか?
 その後、原告側は準備書面を陳述。被告側は陳述書×2名。原告側、被告側双方の証拠確認。
 ここでおもむろに、裁判官は原告側に「あらためて確認するが、被告らが禁止目録の行為*をしていたと主張するものではないのですね」という旨の確認。「そこまでは言えません」との旨の原告側の回答。オイオイ、やってもいないことの禁止を請求する裁判なんてするなよ、と思います。
 前回の弁論で、原告側、被告側双方が今回までに陳述書を出すように言われていて、被告側はちゃんと出していたのですが、原告側はこれから出したいと、まるでだだこねのような発言。裁判官は、「そのために十分な期間をとってきた」として、本日で終結する旨を宣言。原告側準備書面に対して被告側が反論する意志があるかないかを確認しないまま、10時10分頃の閉廷でした。
 「もう反論する必要などないですよ」と言われた気分で、帰路に就いたものです。

 それはそれとして、許しがたいのは、原告側1月31日付準備書面とともに提出された甲18号証。
 協議会のホームページでは、個々人のプライバシーに配慮して、人物の顔やクルマのナンバーにはモザイクがかけられています。しかし、甲18号証として提出された写真には私たち住民の顔がはっきりと写っています。しかも、風景の一部としてではなく、明らかに私たちに焦点をあてているのです。そもそもこのような写真の撮影を許可した覚えもありません。ひとつひとつの写真をみれば、仲間同士で写真を撮っているもの、仲間同士でシュプレヒコールをあげているもの、仲間同士で報告会をしているもの、などなど。まったくのプライバシー侵害です。証拠説明書によれば、作成者=ナイス株式会社となっているのですが、それが事実だとすれば、ナイスはとんでもない盗撮行為、肖像権侵害をやっていることになります。しかも、ナイスが撮影したとされる画像が何故「平成19年(ワ)第2214号」の原告、ユニヴェルシオール入居者の手に渡ったのでしょうか。無断で撮影した写真を無断で第三者に引き渡すなど人権感覚を疑いたくなります。「裁判の証拠のための止むを得ざる写真撮影であった」とでもいうのでしょうか。しかし、ナイスは裁判を提起したわけではないのです。それともこの裁判はナイスがすすめた裁判なのでしょうか?いずれにしても、このようなプライバシー侵害は止めてもらいたいです。
 環境や人権などについてのCSR(企業の社会的責任)が重要視され、サプライチェーンの全体をつうじたCSRの重要性が広く認識されるなか、「取引企業のやったことだからわが社は知りません」では通用しなくなって来ているところです。このようなプライバシー侵害がなされていることを、東武鉄道などの共同事業者はご存じなのでしょうか。知っての上で容認しているとしても、知らずにいるとしても、企業の社会的責任が問われるのではないでしょうか。

 判決言渡しは、3月19日(水)午後1時5分から、東京地裁八王子支部401法廷です。

ペンネーム:ある市民

(写真はY氏提供)
(甲18号証の作成者には恐縮ですが、被撮影者のプライバシー保護のために一部モザイク処理を施して公表させていただきました。了解を得ないままに公表する点も甲18号証の作成者には恐縮ですが、そもそも撮影時点で甲18号証の作成者は被撮影者の肖像権を侵害しています。)






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