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うちのガキが小学生の低学年の頃、夏休みに入ってふと気付くと
朝食の席に姿が無い。
女房に聞くと
「友達とカブト虫捕りの競争してるみたいヨ。前日に蜜を塗っておく
のかしら、早起きしてその木についてるか見に行くみたい」。
しばらくそんな朝が続くので、ある日追跡してみたことがある。
そこは8丁目の尾根道にある森で、1本の大きな木の下に何人も
の小学生が群がっていました。
「う〜ん、かぶと虫をカナブンと同格に邪険に扱っていたワシら旧
世代とは大違い!隔世の感あり!まさか捕まえたらデパートに売
ってゲームソフトとバーターしようってんじゃないだろうな」などと純
粋な少年少女にスレタ大人の悪しき勘ぐり。
うちのガキが高学年〜中学生になってもう興味を持たなくなってか
らも、その木には「カブト虫が必ずつく」というのは事実らしく、毎年
小学生が群がっているのを早朝の出勤途中に目撃していたので
した。
その森が無くなった!というので、写真展の準備の前にカメラを引
っさげてブラリと。
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7丁目方向から“ライオンズガーデン玉川学園”へと下る途中でカ
メラを構えていると「こんにちは〜」とそのマンションにお住まいの
主婦の方に声をかけられました。
「ヘエ、あの森だったところの写真撮るんですか…モウ突然無くな
っちゃってびっくりしました。よくベランダにカブト虫が来てたんです
けど、今後はそういうことがなくなっちゃうのかと思うと子供達もが
っかりだろうなァ。やっぱりうぐいすの声なんかも聴けなくなるんで
しょうね」としんみりと。
「ここも他と同様にたくさんの鳥達が羽を休める、貴重なグリーンベ
ルトの重要な拠点だったのですよ」と仲間に聞いた情報などをひと
くさり。まさに、あの巨大マンションの自然破壊と連動しちゃってるんです。
ここに今“プチ・ユニヴェル現象”の脅威が!
「元・森」の裸にされた土を踏み8丁目の尾根道へと登攀しつつパ
チリ、パチリ。
さぞかし立派な大木だったのだろう巨大な切り株をいくつも見つけ
ました。
「こらっ、写真を撮るんじゃない!」と背後で低い声。
振り向くと、な〜んだテント村の常連さんの悪ふざけでした。
彼は巨大な切り株を指さすと
「伐採の造園業者に聞いたんだけど、こいつは樹齢140年の山桜
なんだそうだ」。
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山桜…。こいつで花見をやるために、わざわざ遠くの山里に出掛け
るファンもいるというその山桜がこんな所に、しかも樹齢140年!
失ったものの大きさにしばしお互い沈黙が続いてしまいました。「我々は、森を伐採したりというような開発行為には着手していな い!」としらばっくれていたものの、先日の法廷で元建設省OBに 「あきらかにこの物件は開発行為に当たる!」とバッサリやられた ハセコー・ナイス君達。 8丁目の森は被害状況が現段階で分かりやすく目に見えるケース。 ユニヴェルは比較するものが「森」ではなく「グランド」だったという ことでごまかしが効く物だったというわけですね…。しかし、ごまかしはごまかし、許されるものではありません。 |
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さて、強風吹きつのる尾根道の写真展。
なんでこんな日にまでやるのっていわれても、ユニヴェルの巨大な
風よけがあるから大丈夫だと思ってたんだよね〜。
甘かった!エキスパンション・ジョイントの隙間やマンションの壁面
と尾根道への駆け上がりが構成するコマネチ“V”ゾーンから圧縮
されて噴出す強風に写真パネルは宙を舞う。
さすがに訪れる人も少なく、、でも鑑賞率85%くらいの写真展。
ポツリポツリとやって来る人々との会話は弾み、それでも明日への
鋭気が養われたのでした。
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ぺンネーム:○と
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| (写真はT氏提供) |